2022WEEK8@アトランタ・ファルコンズ戦の感想

2022WEEK8@アトランタ・ファルコンズ戦の感想

全体の感想

クレイジーゲーム。

まさか今シーズンのパンサーズでこんな試合が見れようとは、3週間前まで夢にも思わないよ。

 

中身は2度の勝ち確を逃す最悪の負け試合ではありますが、それでもHCマット・ルールの時には見られなかったチームの士気の高さをひしひしと感じます。

HCルール時代に、こんな面白い試合を見た記憶は片手で数えられるほどしかありません。

HCがスティーブ・ウィルクスに代わってからまだ3試合。既に直近2試合は非常に面白い試合です。

HCが代わるだけでOCは代わっていないのに、こんなにオフェンスって変わるもんなんだね。シーホークスQBジーノ・スミスが大活躍していて、ブロンコスへ移籍したQBラッセル・ウィルソンが大苦戦していることも、そういうことなんだなと納得できます。

 

負け惜しみという訳ではありませんが、今のパンサーズは勝ったら地区優勝が狙え、負けても来年のドラフト上位指名権が狙えるという、いわば無敵状態です。

もちろん勝って地区優勝を目指して欲しいですけど、負けてもこういう試合を見せてくれるなら満足なのよね。いやー、すごい試合でした。

 

やはり話題はこのプレーでしょう。驚異のミラクルTDパス。

試合序盤オーバースローに苦しんだQB P.J.ウォーカーは、試合が進むにつれて修正、そしてこの華麗なパス。

WR D.J.モーアも素晴らしいルート取り・キャッチでした。こんなオフェンス、ルール時代は絶対見られなかったよ。

このミラクルプレーは、パスに関する細かいデータをアップしているNext Gen Statsによると、データを取り始めた2016年以来最長の滞空パスヤードとのことです。

 

そして波紋を広げている、このミラクルTD後の反則について。

あのシチュエーションであれだけのTDレシーブを決めたのだから、普段どんなに大人しい選手であっても感情は爆発するだろう。

モーアも例にならって感情を爆発させ、ヘルメットを外しました。ええ、ちゃんとフィールドの外に出て(ここ重要)。

しかしヘルメットを外す行為が反則を貰いエクストラポイントキックの距離が15ヤード下げられまして、Kエディ・ピネイロはこれをミス。

その後オーバータイムでもピネイロはFGをミスし、劇的な敗戦に繋がってしまいました。2019年の@セインツ戦で同じくキックを外しまくったKジョーイ・スライを思い出しました。

 

ヘルメットを故意に外す行為が反則になっている意図としては、まず大前提として選手の安全を第一に考えたものであると思われ、またヘルメットを外す行為自体が挑発とも見えなくないので反則となっているのでしょう。

しかし、今回モーアがヘルメットを外したのは明らかにフィールドの外です。

あれ、確かこの反則はフィールド内で行った場合のみ適用だったんじゃないかなと思っていたところ、

どうやらそのようですね。

NBCのルールアナリストによると、モーアはフィールドの外に出てヘルメットを外しているため規則上反則を取るべきではなかった、とのことです。

審判も人ですから悪くは言えませんが、これは間違いなく誤審と言っていいでしょう。

試合前まで、Kピネイロはリーグでも優秀なキッカーでした。

そして試合中も、例のエクストラポイントキック以前の2回のFG(37ヤードと42ヤード)はきちっと決めています。

この誤審により、パンサーズは負けたと言っても過言ではないですね。無念。

ついでに1つ。

同じ日に行われたコマンダーズ対コルツにて、コマンダーズWRテリー・マクローレンがエンドゾーン手前33ヤードキャッチを決めた際、フィールド内で(ここ重要)ヘルメットを外して何やら声を荒げていたとのこと。

しかしこの一連の行為に対してはノーファールだったそうです。審判も人、ですね…

HC交代から3試合

変わったこと。

エースWRモーアにしっかりボールを集めることができている。

くすぶっていたWRテレイス・マーシャルを多用し、マーシャルもその期待に応えられている。

マーシャルがレシーブを多くする反面、WRシャイ・スミスはリターナー以外でほとんど起用されなくなった。

そして何より試合(主にオフェンス)が格段に面白くなった。

 

変わっていないこと。

WRラシャード・ヒギンズは未だに全く起用されない。これはどういうことなんだろう。試合が面白いからいいんだけどさ。

オフェンス

QB

CMP/ATT YDS SK TD LG INT RT
P.Walker 19/36 317 1 1 62 1 80.4

序盤のパス精度が響きレーティングは低いですが、特に後半は素晴らしいプレーの連続で、ちゃんとチームを勝たせるQBの姿でした。インターセプトはディフェンスを褒めておきましょう。

ちなみにパンサーズQBがパス300ヤードを越えるのは、2020年のテディ・ブリッジウォーター(WEEK2@バッカニアーズ戦)以来とのことです。ただブリッジウォーターの場合は点差があった追いかける展開で、ディフェンスも手を抜いている状態の中での成績です。

そう考えると、一撃62ヤードはありますが、最後まで接戦という中で300ヤードを越えたウォーカーは凄いと思います。

ただ押さえておきたいのは、エースCB A.J.テレル含むファルコンズのDBに負傷者が続出していたということ。そのおかげでこんなにパスオフェンスがうまくいったのかもしれません。

OL

先週のバッカニアーズ戦と比較して、異様に反則が多かったのは大いに反省点。

そんな中でもランブロック・パスプロテクション共に安定していたのは、近年のパンサーズを知るものからしたら感動ものです。OLは本当に良くなった。

ラン

ATT YDS AVG LG TD
D.Foreman 26 118 4.5 16 3
S.Brown 6 27 4.5 7 0
P.Walker 1 20 20.0 20 0
D.Moore 1 3 3.0 3 0
R.Blackshear 2 1 0.5 3 0

RBディオンテ・フォーマンが2試合連続100ヤード越え。さらに1試合ラッシング3TDは、2017年のRBジョナサン・スチュワート以来となる記録だそうです。素晴らしい。

RBチュバ・ハバードは怪我で欠場でしたが、代わりにPSからRBスペンサー・ブラウンがロスター入りし、しっかり役目を果たしてくれました。

ランオフェンスに関しては、試合前の時点でランディフェンス5位につけていたファルコンズディフェンスをしっかり攻略できたので、やはりOL素晴らしい。

レシーブ

REC/TAR YDS AVG LG TD
D.Moore 6/11 152 25.3 62 1
T.Marshall 4/9 87 21.8 39 0
S.Sullivan 1/2 33 33.0 33 0
L.Shenault 5/6 26 5.2 13 0
T.Tremble 2/4 17 8.5 9 0
I.Thomas 1/1 2 2.0 2 0
S.Smith 0/1 0 0.0 0 0
D.Foreman 0/1 0 0.0 0 0
S.Brown 0/1 0 0.0 0 0

WRモーアが、これぞエースレシーバーと言わしめる貫禄の152ヤード。やはりエースはこれよこれ。

そして目を引くWRマーシャルの87ヤード。前HCルールにないがしろにされていたマーシャル、ついに本領発揮か。

ディフェンス

QBマーカス・マリオタは、パス成功20/28、253ヤード、3TD、被サック2、レーティング105.2。序盤こそ抑え込んでいましたが、試合経過と共に徐々に良くなっていきました。

ただ稼いだヤードやTD数は、タックルミスによるランアフターキャッチで一気に行かれたものが多々含まれており、ロングパスに関してはその2発をしっかり2インターセプトできているので、実際のところパスに関してはそれなりに抑えられていたと思います。元パンサーズWRダミエル・バードにやられたのは悔しいですけど。

ランはトータル167ヤードやられていますが、QBマリオタの分43ヤードを除くと124ヤード。今シーズンのファルコンズのランオフェンスは相当良いらしいので、それを踏まえれば仕方ないかなと思います。QBも走りまくるチームですからね。

DL

今シーズンDTデリック・ブラウンが本当に良い。チーム2位となる計12タックル・0.5サック・1QBヒット。パンサーズのDL選手の1試合12タックルは、2000年以来最多とのことです。

加えてこのプレー。RB止めてQB止めるってどういう身体能力してるんだ。

LB

OLBシャック・トンプソンがチームトップ計13タックルの活躍。OLBフランキー・ルヴは計5タックルに1サックとこちらも活躍。MLBダミアン・ウィルソンは計2タックルとこちらも安定低。

DB

CBドンテ・ジャクソンとCB C.J.ヘンダーソンがそれぞれ1インターセプト。ジャクソンは途中足を痛め下がってしまったのは心配ですが、代わりに出場したヘンダーソンがしっかりインターセプトも引き継ぐ活躍でした。

スペシャルチーム

Kピネイロは、37ヤードと42ヤードのFGを成功したのち、試合を決める48ヤードエクストラポイントと32ヤードFGを失敗。

ピネイロをサポートする選手のように、これまで相当貢献してくれているので責めることはできませんね。次戦でしっかり復活してくれることを願います。

Pヘッカーは問題無し。オーバータイムコイントスの時はLS J.J.ジャンセンがやるのね、最年長だからかな。

さいごに

ファルコンズとはいっつも良い勝負してるみたいね。ある意味1番のライバルかもしれない。同地区ライバルの中で1番嫌いだけど。

1Q 2Q 3Q 4Q OT Total
CAR 3 7 3 21 0 34
ATL 0 14 7 13 3 37

おそらく動かないと個人的には思っていますが、トレード期限は11月1日。

2勝6敗となり奇跡の地区優勝が若干遠のいてしまったパンサーズは、はたして動くのだろうか。

<余談>

RBクリスチャン・マキャーフリーがまたも偉大な記録を達成したようで。おめでとう。