2022WEEK7タンパベイ・バッカニアーズ戦の感想
- 2022.10.24
- カロライナ・パンサーズ
- NFL, パンサーズ

はじめに
Panthers turned down an offer of two first-round picks for Brian Burns, per league source and as @AdamSchefter first reported.
The Pro Bowl edge rusher is in line for a huge deal with Carolina, which wants to build around its young defensive course as it resets.— Joe Person (@josephperson) October 23, 2022
試合前に突如出てきた噂。
あるチームがDEブライアン・バーンズのトレード対価として1巡指名権2つを提示したが、パンサーズ側は拒否したという話。
この1巡指名権が2023年のものを含まなかったのか、はたまたイーグルスのように複数の2023年1巡指名権を持っていて、その内下位になりそうな方+2024年の1巡といった提示だったのか。
そもそも本当にあった話なのかどうかも分かりませんが、この噂を目にしたとき、正直「拒否?なぜ?1巡2つなら普通に良くない?」と思ってしまったのは事実です。
まぁそれもバッカニアーズ戦でしっかり負けたら気が変わるだろうと思ってました。
ええ、おそらく誰もが思ってました。
全体の感想
バッカニアーズは間違いなく、今のパンサーズに負けるはず無いと高を括っていたことだろう。
これが同地区戦だ、これがスポーツだ。やってくれたぜパンサーズ。
今シーズンのベストゲーム来ました。めっっっっちゃ楽しい試合でした。
オフェンスは、先週とは全く別チームかと疑うくらいの大変貌。
まずは先発QB P.J.ウォーカーがオープニングドライブ最初のプレーでいきなり奥へパス。WRテレイス・マーシャルがキャッチできず失敗となりましたが、明らかに先週の@ラムズ戦と全然違うぞと思わせる立ち上がり。
その後も今シーズン大きく改善されたOLの下、ラン中心にオフェンスを展開。パスプロテクションも十分で、ウォーカーは常に冷静にパスを投げることができていました。その精度も完璧というおまけ付きで。
結果、パス177ヤード、2TD、0インターセプト。ランは驚異の173ヤード、1TDを記録。
しかもあのパンサーズがディフェンスのターンオーバーに頼らずオフェンスの得点だけ、加えてFG無し・TDだけで21点も取って勝ちました。これ快挙です奥さん。
直近3試合で20ヤード以上獲得するプレーが6回しかなかったオフェンスが、この日だけであっさり7回以上を記録。
さらに今シーズン20ヤード以上のTDを許していなかったバッカニアーズディフェンスから、2回の20ヤード以上TDを奪うことに成功。OL全員が右か左に流れ、その逆をRBに走らせるプレーがとても有効でしたね。
TEトミー・トレンブルへのTDパスのシーンでは、1stダウン・2ndダウンは無難な中央のランプレー。
第4Qだし2ポゼッション差あるしFGでいいかと思わせて、3rdダウンでエンドゾーンへパス。完璧なパスで見事TD。
FGレンジに行ってもTDをしっかり狙いに行く。前HCマット・ルールの下では絶対に見られなかった行動です。OCベン・マカドゥーよ、ルールに制限されてたかもしれないけど、そういうのをもっと早くからやってくれ。
そんな感じで「これ本当にパンサーズオフェンスか?」と目を疑うくらいオフェンスが面白かったです。本当に先週の超単調オフェンスは一体なんだったんだ。長い長い1週間もの布石だったのか?
ディフェンスは、なんとあのレジェンドQBトム・ブレイディを0TDに抑えるという快挙を達成。しかもこちとらエースCBジェイシー・ホーン欠場しながらですよ。…WRマイク・エバンスのオープニングドライブTDパスドロップありましたけどね。
ランはトータル46ヤードとシャットアウト。こちらもWEEK7時点でリーグ最下位のランオフェンスだったのでぬか喜びかもしれませんが、それでもしっかり止めてくれました。
ターンオーバーはありませんでしたが、終始バッカニアーズに流れを渡さず、オフェンスがしっかり機能していたことで後半疲弊することもなく、最後までバッカニアーズオフェンスを押さえつけてくれました。
DCフィル・スノウが居なくなってどうなるかと心配されたディフェンスですが、@ラムズ戦とバッカニアーズ戦の2試合を見る限り、何なら今の方が強い気がします。その辺りさすがスティーブ・ウィルクス、さすがアル・ホルコムと言ったところか。
最後はPジョニー・ヘッカーがラフィング・ザ・キッカーの反則を貰って勝負ありとなった試合。
一応触れておくと、バッカニアーズ側にミスが多かったことやDBに負傷者が多かったことで、常にパンサーズの流れになっていたのかなとは思います。
ただし、それでも、2020年以降で対バッカニアーズ初勝利は素直に嬉しいです。ブレイディ完全引退前にしっかり勝利できて良かった。
RBクリスチャン・マキャーフリーやWRロビー・アンダーソンといった主力選手がトレードされたことで、今シーズンのパンサーズオフェンスは終わったと思っていました。
でも蓋を開けてみれば、あのブレイディバッカニアーズを3点に抑えて完勝。予想の斜め上を行き過ぎた勝利に、ファンながら動揺しています。
マキャーフリー等が抜けたことで意気消沈するのではなく、むしろ一層気合が入ったと言うべきなのでしょうか。
今ままで以上にチームが一丸となっていた気がします。こういう選手たちの姿をずっと見たかった…ありがとうウィルクス。
A hometown win by the hometown kid. pic.twitter.com/bcmLXdecys
— Carolina Panthers (@Panthers) October 23, 2022
暫定HCウィルクスは試合数日前、パンサーズファンに青でスタジアムを埋めて欲しいと言っていました。
残念ながらスタジアムはバッカニアーズファンの赤で埋まっていましたが、大方の予想を大きく裏切る大勝利により、
A solid 4th quarter “KEEP POUNDING” chant at the stadium.
Nice to hear.
— Will Kunkel (@WillKunkelFOX) October 23, 2022
「Fire」だらけだったスタジアムの合唱が、ついに「KEEP POUNDING」へと変わりました。最高。
オフェンス
QB
CMP/ATT | YDS | SK | TD | LG | INT | RT | |
P.Walker | 16/22 | 177 | 1 | 2 | 29 | 0 | 126.5 |
パンサーズQBがパサーレーティング100を越えるのは今シーズン初。まさかウォーカーが成し遂げるとは、誰が想像できようか。
この日のウォーカーはパス精度が非常に良く、プレッシャーをかけられようと落ち着いてスクリーンパスを決めたりと、常に冷静にプレーできていました。本当に素晴らしいパフォーマンスでした。
OL
パット・エルフレインが負傷離脱したことで、今年パンサーズへやって来たブラッドリー・ボーズマンがCとして初先発。
1サックを許してしまいましたが、それ以外は問題無し。下記RBディオンテ・フォーマンの中央突破60ヤードランをアシストするなど、良い働きでした。
OL全体で見ても、パスプロテクション、ランブロック共に文句無し。たった1年でこのOL改善は凄いです。
RB
ATT | YDS | AVG | LG | TD | |
D.Foreman | 15 | 118 | 7.9 | 60 | 0 |
C.Hubbard | 9 | 63 | 7.0 | 17 | 1 |
D.Moore | 1 | -3 | -3.0 | -3 | 0 |
R.Blackshear | 2 | -5 | -2.5 | -1 | 0 |
RBフォーマンが100ヤード越えを達成。RBチュバ・ハバードは63ヤード・1TDと、2人でしっかりマキャーフリーの穴埋めには十分過ぎる大活躍でした。
WR
REC/TAR | YDS | AVG | LG | TD | |
D.Moore | 7/10 | 69 | 9.9 | 21 | 1 |
T.Marshall | 2/3 | 31 | 15.5 | 20 | 0 |
T.Tremble | 1/1 | 29 | 29.0 | 29 | 1 |
D.Foreman | 2/2 | 27 | 13.5 | 23 | 0 |
C.Hubbard | 2/3 | 10 | 5.0 | 7 | 0 |
L.Shenault | 1/1 | 8 | 8.0 | 8 | 0 |
I.Thomas | 1/1 | 3 | 3.0 | 3 | 0 |
WR D.J.モーアが久しぶりに躍動。やっぱエースレシーバーはこれだよこれ。
WRマーシャルは、2021年ドラフト2巡指名からこれまで全く活躍できていませんでしたが、ついにこの日、その片鱗がちょっと見えたかなと。良い活躍でした。
この調子でWRラシャード・ヒギンズも使ってくれ。
ディフェンス
QBブレイディは、パス成功32/49、290ヤード、0TD、被サック1。何と言っても0TDの衝撃よ。ランは上記の通りトータル46ヤードと抑え込みました。
ちなみに先週は4-2-5ディフェンスでしたが、今週は4-3-4に戻っていました。OLBフランキー・ルヴ復帰に伴い元に戻したのかな。
DL
DEバーンズは計5タックル・1サック・2QBヒットと活躍。パンサーズが手放さない理由も頷けますね。
Burns was on the hunt 😅@Fire_Burns99 pic.twitter.com/sBQP7CzWvm
— Carolina Panthers (@Panthers) October 23, 2022
スピンせずワンステップでOLをかわしてサック。これはエグイて。
LB
OLBシャック・トンプソンが計7タックル。復帰したOLBフランキー・ルヴが計4タックル。
DB
CBドンテ・ジャクソンが計10タックルとチームトップ。初っ端WRエバンスに実質TDパスを許しているのは反省点ですが、途中負傷しながらも頑張ってくれました。
Sマイルズ・ハーツフィールドが計7タックル、Sゼイビア・ウッズが計4タックルと、ジェレミー・チン不在ながらS陣の安定感は素晴らしい。
スペシャルチーム
Kエディ・ピネイロはエクストラポイントだけのキックで問題無し。Pヘッカーもいつも通り。
さいごに
浮足立たずしっかり俯瞰で見て、やはりこのまま勝ち続けるとは思えませんが。
それでもここまで同地区戦2勝0敗。
同地区首位はバッカニアーズの3勝。パンサーズは現在2勝。
もう完全に今シーズン諦めていましたが、これはもしや、まだ地区優勝狙えるのか?
So… are we back to 2014? pic.twitter.com/6LFADXWqkj
— The Riot Report (@RRiotReport) October 23, 2022
2014年シーズンの時のように、全チーム負け越しでパンサーズ地区優勝とか、本当にあるかもね。
ドラフトのことは一旦忘れましょう。これは可能性出てきて俄然面白くなってきた。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | |
TB | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
CAR | 0 | 7 | 7 | 7 | 21 |
今週はまたトレード話で盛り上がるのかと思っていたところのよもやの勝利。
本当かどうか分かりませんがDEバーンズのトレードを断ったことを踏まえて考えても、今シーズンもうこれ以上トレードは無いかもしれません。トレード対象と見られる選手たちがあれだけ活躍して勝利したら、そりゃトレードなんてできませんよね。
何があるか分からないのがNFLですけど。
<余談>
何気なく思ったこと。
先週はジャイアンツオフェンスを真似た(?)やり方で失敗。
そして今週はランオフェンスを中心に、エースレシーバーへパスをしっかり投げて成功。
ランオフェンス中心に、エースレシーバー(ブランディン・クックス)の存在。
まさか次はテキサンズオフェンスを真似たのか?…なんて。
PJ Walker and Taylor Heinicke were members of the XFL a few years ago.
Today they both started in the NFL and won games over Tom Brady and Aaron Rodgers.
— Ari Meirov (@MySportsUpdate) October 23, 2022
ついでにもう1つ。
パンサーズと馴染みのあるテイラー・ハイニキが負傷離脱したカーソン・ウェンツに代わり先発QBを務めたコマンダーズが見事パッカーズに勝利。
XFLを経験したウォーカーとハイニキが、ブレイディとアーロン・ロジャースを破るという偉業を成し遂げました。おめでとう。
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